生まれてよかった 住んでよかった~そんな町づくりをめざして~

人権問題の理解と解決のために

 人権は、あなたの問題です。
 でも、おじいちゃんやおばあちゃん、お父さんやお母さん、兄弟姉妹、隣のお年寄りや体の不自由な人、女性、子ども、職場での上司や部下など、これらのすべての人にも人権があります。
 家庭の夫婦や親子関係、地域や職場での人間関係の中で、もし、あなたの人権がうばわれたり、認めてもらえなかったり、無視されたらどうしますか。
 そうならないためにみんなで人権について考え、学ぶことが大切です。

「人権は生き方の問題」
 人権とは、着る物、食べ物。住む家に満足し、健康で明るい家庭があって、生きがいのある仕事と趣味のための休暇があるなどといった生活を営むことのできる権利です。
 こうした生活はすべての人の願いであると同時に私たちの生活そのものでなければなりません。
 お互いの人権を認め合い、このような生活のできる社会の実現に取り組むことが大切です。

「誰もがもっている人権」
 幸せに生きる権利は誰もがもっていますが、残念ながら一部の人達の中には生まれ育った国や地域の違いによって、また物の考え方の違いや障害を持っているからといって、これらの違いを理由に排除したり認めないといった人権侵害がまだ残っています。
 ふだん何げなく使っている言葉のなかにも他の人にとっては、重大で深刻な人権侵害となっている場合があります。
 私たちは一人では生きていけません。お互いの違いを認め合い、その違いを尊重しあう広く豊かな心を持つことが大切です。

「家庭内での人権」
 家事・育児は妻の役割であるとか「女は控えめに」とか子どもに対して一方的な押し付けや「愛のムチ」を口述とした虐待、高齢者を邪魔扱いするといったことが家庭内にありませんか。
 まだまだ私たちの社会の中には、「男が主」で「女は従」といった男女差別意識が残っています。家族の一人ひとりにも人権があります。性別や年齢に応じた人権を認め合い、明るい家庭を築くことが大切です。

「地域内での人権」
 地域の中には、家柄等によって人をみたり評価していることはありませんか。
 大切なことは人を生まれや家で評価するものでなく、その人の人格や行いで評価すべきです。また、「世間のしきたり」や「世間体」、「みんながいっているから」といって、自分の意見を述べずに大勢に流されたり、少数の人の気持ちに対する配慮にかけたりすることがよくあります。
 「世間体」に流されるということは自らの人権を放棄することにほかなりません。自らの信念に基づく考え方や行動ができる習慣を身に付けることが大切です。
 さらには、古い因習である六曜や清め塩といった身の回りの不合理や不都合をみつけ正していくための話し合いや行動を起こすことも大切です。(六曜とは、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口をいいます。)

「あと一歩の踏み込みを」
 同和問題解決のため教育・啓発の成果として、町民の人権意識が高まりつつあります。これからは知識に終わることなく、もう一歩踏み込んで人権侵害の事実を見抜き正していける指導的役割を担う町民になっていただくことが大切です。
 人権が尊重され、生まれてよかった住んでよかったといえる明るい町をつくりましょう。

重要課題への対応

【同和問題】
 同和問題は、我が国固有の人権問題であり、これの早期解決が叫ばれ、この間の様々な取り組みによって結婚や就労にみられるように着々とその成果をあげてきています。
 これからは、生活の中に根強く残っている誤った因習や迷信等の不合理な考え方をただし、同和問題をはじめとするすべての人権問題を自分自身の問題としてとらえ差別や偏見をなくすことに努めましょう。

【女性の人権】
 男女共同参画社会基本法が制定され、女性の地位向上が呼ばれていますが、「男は仕事、女は家庭」といった性別役割分担意識や社会の慣習・因習が大きな壁となって女性の人権が完全に尊重されているとはいえません。
 これからは、女性の地位向上の障壁になっている社会の慣習や迷信・因習を排除し、あらゆる場で女性の意見が反映されるようしていきましょう。

【子どもの人権】
 子どももひとりの人間としての人格をもっていることを認識し、子どもの自由な意見や主張を尊重して、子どもの最善のものを見つけ出して行動することが大切です。
 また、自らの人権が守られるということは、他の人の人権も守っていくことの大切さを教えましょう。

【高齢者の人権】
 いかなる環境や立場にある高齢者に対しても、それぞれの知識や経験を活用した社会参加ができる機会をつくりましょう。
 介護が必要となった高齢者に対しては、家庭・地域での協力体制づくりを図り安心して快適な生活を送れる町づくりをしましょう。

【障害者の人権】
 障害も人の個性の一部としてとらえ、障害を持った人もそうでない人も共に普通の生活の出来る社会をつくるため、点字ブロックの上には自転車を置かない、障害者用駐車位置は障害を持った人のために空けておくといった身近なことの実践によって、みんなに優しい町づくりを実現しましょう。

【外国人の人権】
 国際化の進む現在、外国の文化や風習、歴史について正しく理解し、いづれの国の人であっても互いに兄弟・姉妹の心にたって、個人として尊重しあい、共に生きて行ける地域社会の形成に努めましょう。

【HIV感染者等の人権】
 HIV・エイズ、ハンセン病に対する正しい理解と認識を深め、偏見や差別をなくしていきましょう。

【アイヌの人々の人権】
 アイヌの言葉や音楽、踊り、工芸その他の文化に対する理解を深めると同時に「アイヌ新法」について学びアイヌの人達の民族としての誇りを尊重する社会の実現に努めましょう。

【刑を終えて出所した人の人権】
 刑を終えて出所した人や家族に対する先入観を払拭し、更生しようとする人を受け入れる社会環境を育くみましょう。

あらゆる場を通じた人権教育の推進

(1)学校教育における人権教育の推進
 幼稚園教育では、友達と助け合い、いってはいけないことやしてはいけないことを気づかせ、動植物のふれあいを通じて、生きることや命の大切さに気づくようします。
 小学校教育では、互いの違いを認め尊重し、喜びや悲しみを共に感じ合い、弱い立場にある人を大切にする心を育み、いじめを断じて許さないという人間に育てます。
 中学校教育では、科学的、合理的なものの見方や考え方および人権問題が自らの問題として積極的に取り組む態度を育て、学級や学校のなかにある様々な問題を全員で考え解決していこうとする姿勢を育てます。

(2)社会教育における人権教育の推進
 あらゆる社会教育の場において、人権問題についての啓発を行うと共に、すべての町民が人権問題が自らの問題であることの理解と認識を育む学習機会を提供します。
 特に、家庭教育では、乳児期から少年期における人格形成および人権意識の形成に果たす役割の大きさを認識し、家族全員が協力しながら命あるものを大切にする優しい心を育むための環境づくりを支援していきます。

(3)福祉分野における人権教育の推進
 保育所および隣保館においては、人権教育・啓発を積極的に行い、その他福祉関係者に対しては、人権意識の高揚のための研修会等の開催を働きかけます。

(4)企業その他の一般社会における人権教育の推進
 企業や各種団体に対して、積極的に人権意識の高揚のための研修会等を開催するよう働きかけます。

(5)特定職業従業者に対する人権教育の推進
 公務員、福祉関係職員、消防職員、議会議員等に対して、人権教育啓発を行います。

このページに関するお問い合わせ先

かつらぎ町役場 住民福祉課 社会福祉係
電話:0736-22-0300(代表) ファックス:0736-22-6432
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最終更新日:2024416